【SST】その場にふさわしい態度を知り、振る舞い方を覚える

2020-01-27

 明るく前向きな性格で、運動も学習も意欲的に取り組んでいます。運動の面では、マットの前転でスムーズに起き上がれるようになったり、長縄の回旋ジャンプで縄のタイミングに合わせたジャンプが長く続けられるようになったりしています。集団遊びでは、楽しくて気分が盛り上がる中でも安全面のルールをしっかりと意識した上で活動できるようになってきました。今後も安全面に気をつけながら楽しく身体を動かしてもらいます。学習の面では、前向きに取り組み、がんばっています。公文では、内容が少しずつ難しくなってきましたが、繰り返し練習し、一人で解けるようになっています。レプトンでは、新しい単語や会話文を覚えるのが得意で、スイスイと進んでいます。書くことにも取り組み、アルファベットの大文字・小文字が全て書けるようになったり、ローマ字や発音をもとに単語や文が書けるようになったりしています。記憶力が優れていて、新しいことをどんどん吸収することができ、がんばっています。今後も公文・レプトンを通して、計算力・英語力をさらに伸ばせるよう支援していきます。
 少し気になる点は、その場にふさわしい態度をとることができない点です。整列する時や体操隊形に開いた時に友達といつまでも話していたり、戸外活動の移動時に後ろを向いて友達と話しながら歩いたり、お片付けの時間に何もせずフラフラしていたりします。これまでたくさん声を掛けてきましたが、その場では素直に応じるものの根本的に行動が変わらず同じ注意を何度も受けていることから、その場面でどう振る舞えば良いかを知らない可能性があります。そこで、その場にふさわしい態度を身に付けてもらうことを目標とした支援を行っていきます。そもそも態度とは、決心し行動に移すこととR. M. Gagneは述べています。ある態度を身に付けたと判断される基準はその行動が自発されることで、そうしようと思っているだけで行動が伴わない場合や指示を受けてそれに従う場合はその態度を身に付けたとは言えません。また、「正統的周辺参加において、学習とは参加である。(中略)学習とは、従来考えられてきたような個人による知識や技能の獲得など個人の中で起こっている認識論的な問題ではなく、社会的世界やネットワークといったものと切り離して考えることはできないものだ。更に、参加の度合いの増大にともなって、その共同体における学習者のアイデンティティが他の成員との相互交渉によって確立されていく(遠藤,2005)」とあります。つまり、学習は個人で行われるものではなく、ある集団に属し、その集団の中にいる人とのやり取りを通して生じるとされていて、集団に参加するという文脈の中で自分の居場所を知り、自分が何をすべきか、どう振る舞うべきかが次第に分かるようになるということです。教室では、この場面でこうすべきというルールが決められていますが、先に述べたように本人はまだルールに沿えていないことがよくあります。本人に、他の子とは異なる自分の行動に気付いてもらうため、すべきことを視覚化して自覚を促すとともに、その成果をトークンと連動させ、自発的にふさわしい態度をとることができるようにしていきます。また、「○○君、〇〇してね」と単に指示を出すのではなく、「○○君」で止め、その後に何を言おうとしたか本人に考えてもらう機会を作ります。ただ言われたから直すのではなく、今何をすべきか自分で考え言語化してもらうことで、自分でその場に合った行動を選択し実行する力を育んでいきます。


引用文献
遠藤ゆう子(2005).『状況に埋め込まれた学習正統的周辺参加』を読む―学

    習と学習環境デザインを考える―,言語文化教育研究,3,226-236.

Juri, F.